読んだ、読んだ、読みました

これまで紹介した本に加えて、今回の正月休みに読んだ本です。

この2年、転職等もあってかなりハードな生活をしていたので、だいぶ読書量が減っていました。トライアスロン復帰と同時にすっかり堅くなってしまった頭の方もブラッシュアップしなければいけません。

本来は大学時代の先輩のUさん、某SNSのanne-sunさんやかなちゃんさんの映画評のようにきっちりとまとめなければいけません。が、時間もないので、せめて防備録です。

もう1冊、英語の読みかけのものがありますが、これはまたの機会に。それにしても日本語での読書は楽です。英語でもほとんど辞書は引きませんが、どうしても身構えて、勉強ってという感じになってしまいます。

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田中森一 『闇社会の守護神と呼ばれて 反転』
伝説の特捜エース検事は、なぜ「裏」世界の弁護人に転向したのか。

幻冬舎

日本で流行ったようですね。知りませんでした。こうした本はこれまであまり読みませんでしたが、なかなか度肝を抜かれました。このような本や佐藤優のような本もどんどん読まねばと思います。この田中さん、ただ者ではありません。

モーレツな仕事ぶりもさることながら、一方で検事も法に携わるものも特に偉いわけではなく、「社会のドブ掃除」といった次の文章は印象に残ります。
人間社会には、汚い世界が ある。必然的にドブを生む。犯罪者はそうしたドブのエキスを吸いながら、罪を犯すのである。検事を含め法曹界におけるわれわれの仕事は、しょせんその「ド ブ掃除」にすぎない。正義を振り立て、人をリードする職業などではない。人間のやったことの後始末をするだけだ。それも人間のいちばん汚い部分の後始末で ある。犯罪者にペナルティを科し、ドブを多少なりとも掃除するのが検事の仕事。検事や弁護士のバッジを光らせて傲慢な顔で闊歩するほどの仕事ではない。い つしかそう思うようになっていった。
彼の「闇」社会での人生における正義感と男気にも一部共感する面はありますが、それでも結局「闇」の世界に入ったのは裏では記載されている以上にお金やうまい汁があったり、あるいは弱みを握られていた部分はなかったのだろうか ― 読み飛ばしてしまったのかも知れませんが、動機も逆にきれいごとだけではないのではと疑問が残ります。


Luke Harding 『The Snowden File』

下記NYTより


この本は衝撃的でした。著者のLuke Hardingは注目です。He might have been really a patriot and a whistle-blower? 私もVerizonやネットを使っていて、筒抜けだった口です。この問いは少なくともしばらくは問い続けることになりそうです。

個人的にはSnowdenの愛国心・正義感は以前読んだInfeldによる『ガロアの生涯』に描かれるガロアに似ているような印象を持ちました。自他共に天才と認める者にありがちな、少々病的なまでの性急さと攻撃性も含めて。

http://www.amazon.co.jp/%E3%82%AC%E3%83%AD%E3%82%A2%E3%81%AE%E7%94%9F%E6%B6%AF%E2%80%95%E7%A5%9E%E3%80%85%E3%81%AE%E6%84%9B%E3%81%A7%E3%81%97%E4%BA%BA-%E3%83%AC%E3%82%AA%E3%83%9D%E3%83%AB%E3%83%88-%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%83%88/dp/4535786208

その意味では学生時代か、入社早々に読んだ『人生に意味を』のサン=テグジュペリのものに、どちらかというと個人的には共感します。

あと、まだ読んでいませんが、NYTからの紹介記事です。
http://www.nytimes.com/2014/02/05/books/the-snowden-files-by-luke-harding.html?_r=0


落合博満 『采配』
ダイアモンド社

以前買っていましたが、面白そうな部分だけ「つまみ読み」です。スポーツの組織論的なものはラグビーの平尾誠二、バレーの真鍋監督を始めとして野球関連では川上監督、広岡監督、野村監督の著作はほとんど読みましたが、勝負師・落合博満のものも示唆に富んでいます。井端と荒木のコンバートの話など発想が面白かったです。

ただ個人的には、細かい玄人好みの野球も嫌いではないのですが、MLBのようなスカっとした野球の方が好きで、長嶋、原、中畑といった華が欲しいでしょうか。


Nelson Mandela byKem Knapp Sawyer

amazonより

半分まで読了。カリフォルニアを離れることもあって、返却しました。大航海時代の喜望峰の発見から徐々にポルトガル、オランダからの入植が始まるが、始めはお互いに協力し合う関係だったという記載は新鮮でした。世の中を見渡した場合に友達関係だって国と国にとの関係もそうなのかも知れません。

下手したら家族や親族の中で争っているケースだってあります。

今でこそ金などを始めとして資源の宝庫として有名ですが、そうした資源が発掘されていなかった当初は単なる寄港地として出発したというくだりも興味を引きました。

途中イギリスの登場によるオランダ系住民の不満、そして時を経てApartheidへとつながっていきます。 このMorgan Reynolds Publishingという出版社のYong Adult向けのものは適度な薄さで概要を捉えるのに良いかもしれないと思います。

https://morganreynoldspublishing.wordpress.com/



『僕の死に方 エンディングダイアリー500日』 金子哲雄 ☆☆☆☆




41歳という若さで死んでいく著者が懸命に生きた証と、すてきな夫婦の愛の物語だと思いました。これは下記に感想を書きました。

『僕の死に方 エンディングダイアリー500日』 金子哲雄 ☆☆☆☆



もっとも美しい対称性 イアン・スチュアート


amazonより

数年前に買って積読だったもの。メソポタミアの数学から始まって、アーベル、ガロアへと続く群論発見とその後の(おそらく)素粒子論への発展の歴史ですが、ガロアの決闘死のところまで読了。

素粒子への発展のところはまた時間をとって、今度は原書で読みたいでしょうか。

恥ずかしながら理系の私ですが数学的な記述はしっかり追わず、物語的な部分だけ高速リーディング。でも、なぜガロアの論文が画期的だったのか、腑に落ちました。


The important thing is to identify the "future that has already happened"
Peter Drucker






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