とある女性フォトジャーナリストの壮絶な半生 「It's What I Do」 - Lynsey Addario

カリフォルニアから戻る際にデンバーで別の飛行機に乗り換えた。この本はその時に買ったものだ。オハイオに戻るとTime誌が郵便受けに入っていたが、奇遇なことに今年Time誌が打ち出したSyria難民についてのプロジェクトで彼女の名前が登場した。

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これも何かの縁なのだろう。

今でこそ数々の賞に輝くフォトジャーナリストである彼女だが、アルゼンチン滞在時にとある新聞社に採用してもらう経緯には驚いた。


父からもらったNikon FGの影響もあって写真撮影が趣味だったとはいえ、もともとは専門的な知識も全くない。映画Evitaを撮影するためにマドンナが来ているが、セットに潜り込んで彼女を撮って来れれば新聞社に入社させてあげる、いわばお断りに近い条件を取り付ける。ガードマンを説得して何とか潜り込んで、さあいよいよマドンナがホテルのバルコニーに現れらと思ったら、何と米粒の大きさにしかならないのだ。彼女が持っていたのは、悲しいかな、50mmの標準レンズだけだった。

それでも彼女は驚くべきほど、強運の持ち主だ。うろたえる彼女にたまたま近くにいた人が「カメラを貸してごらん」と500mmの望遠レンズに付け替えてくれた。そして、これが彼女の初仕事となった。

その後、彼女はフォトジャーナリストとしてアフガニスタン、イラク、パキスタン、コンゴといった戦乱の地を訪れる。アメリカ軍と従軍取材をするアフガンでは同行する旧知のライター、Elizabeth Rubinから何と妊娠していることを告げられる。パキスタンでは自動車事故にあって大怪我を負い、信頼する運転手であるRazzaを失う。またリビアでは、運転手として雇った工学部学生に裏切られたのだと思うが、政府軍の施設に連れていかれて拘束されてしまう。

コンゴでの取材によると、アフリカでは部族間の抗争の陰で、兵士や素行の悪い集団により性的暴行を受けたり、誘拐されてしまう女性がいることは日常茶飯事であるという。以前、先天性色素欠乏症のアルビノの悲劇を何かで読んだが、同じようにまだ解決の糸口は見えない。

それぞれの詳細は本書を読んでいただくとして、一つ関連サイトを下に紹介する。

そしてコンゴでの取材の章を終える際の彼女が記していることを、私自身への忘備録として記載しておく。

性的暴行を受け、そしてAIDSで死にゆくMapendoを病院へ送ろうとコンゴの救援活動者とUNスタッフの同乗者に提案したところ、彼女の所有、あるいはレンタルする(と思われる)SUVにも拘らず抗議を受けたという。


彼女のWebを最後につける。基本はフリーランサーなのだ。
http://www.lynseyaddario.com/


The important thing is to identify the "future that has already happened"
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