アメリカにおけるオバマケアとは - 医療保険制度改革


今、アメリカ政府では新しい会計年度が始まりましたが、オバマケアを争点に民主党と共和党がせめぎ合い,暫定予算案がまとまっていません。

この医療制度改革の内容と実際の施策はとても複雑なこともあり、専門外の私はきっちりとした深い理解ができていません。この機会にもう少し勉強したいと思い、これは自分の勉強ノートです♪



理解不足、勘違いの部分もあるかも知れません。その場合には連絡をいただけるとありがたく存じます。



時間がない人のための概要

Affordable Care Act(ACA)が正式名ですが、2010年3月にサインしたこともありオバマケア(Obamacare) とも呼ばれます。


日本ではすべての国民が何らかの形で医療保険に加入していますが(国民皆保険)、アメリカでは6人に1人が医療保険に未加入であり、その数は約4000万人以上(4800万人というデータもあります)といわれています。


この未加入者にも医療保険が加入できるようにしたいとオバマ大統領が大統領選挙の公約に掲げました。過去にも何度かこうした試みがあり、直近ではクリントン政権のときにヒラリ-夫人がリーダーシップを取ってチャレンジしましたが、あちこちの反対勢力に翻弄され、実現できませんでした。


法律としては2010年3月に大統領署名が行われ成立。その後、反対派から違憲性が問われて裁判となりましたが、2012年6月に連邦最高裁で合憲であるとの判決が出ました。


したがって、法律無効(repeal)がない限り本格的な施行開始は時間の問題です。しかし共和党を中心とする反対派は具体的な施策の骨抜きを狙ったり、本格的な施行開始を遅らせようとしています


現在アメリカの上院・下院ではこのオバマケアを主な争点として民主党と共和党の小競り合いが起こっており、結果として一部の政府機能がShutdown(閉鎖)されました。


※  新しい会計年度が開始される10/1までに予算案が可決されないと政府機能の一部が閉鎖されるという自体オバマケアに反対する共和党が民主党から譲歩を引き出そうとして議会で両会派がお互いに譲らないという構図です。結局、9/30中に暫定予算案がまとまらず、政府機能の一部SHUTDOWNが始まりました。次にアメリカには国の財政収支を改善するために決められた債務上限を超えて追加の予算が必要な場合には上院・下院の可決が必要であるという法律がありますが、(暫定)予算案の成立とともに、この追加支出の承認が可決されるかという点もポイントとなります。



もう少し詳しく知りたい人のためのまとめ

医療保険制度改革の目的

4000万人以上のアメリカ国民(約6人に1人)が保険に未加入である状態を是正する


背景

アメリカの医療状況とその問題(一言でいうと)

アメリカは世界No.1の医療先進国、しかし高い! 
お金のある人には世界最高の医療を提供、しかし富裕層以外は医療費(医療保険料を含む)の負担に疲弊している
特に1990年代そして2000年以降に高騰、破産者も増えてきた!(保険加入者も含めて)
低所得者層の公的保険(Medicade)でカバーできない中低所得層の4000万人以上が医療保険に未加入


アメリカは国民皆保険ではない

通常は勤務先(政府・軍(現役/退役)関連、企業)を通すか、個人で医療保険に入る
企業および個人を通して加入する場合は民間の医療保険会社がほとんど
その他に65歳以上の老齢者向け(Medicare)、低所得者・障害者向け(Medicaid)の2つの公的医療保険がある


民間の医療保険会社も契約者を増やしたいので、特に企業向けの大口契約は一生懸命


一方、保険金の支払いを最小化したいという強い思惑もあり、特に個人で保険加入する場合にいろいろハードルが発生
 特に医療費がかかると想定される既往歴がある場合
    医療保険に加入できない(加入拒否される)
  加入できてもその既往歴には保険が適用されないケースが多い
 生涯で給付される保険金の上限がありうる
  (いざ高額の医療費が発生しても支払いを拒否され、泣き寝入りのケースもある)


オバマケアの骨組み

1.    4000万人の医療保険未加入者をなくす。国民皆保険を狙う
2.    民間の医療保険会社による加入拒否を禁止する
3.    低所得層向けの医療保険カバレージを拡大する
4.    民間の保険会社にもメリットが出るような施策とする
5.    財源として富裕者層、医療機器関連の企業への増税
6.    医療費高騰を防ぐためのいくつかの施策


本格的な施行は2014年1月。しかし19歳以下の者に対して既往症に対して加入拒否を禁止(2010)など既に段階的に実施中のもの、また2014年以降に施行されるものもある


国会での情勢

民主党の多くは賛成上院は民主党有利のため、オバマケア賛成
共和党の多くは反対だが、特にTea Party(超保守派)に属する議員が断固反対
下院は共和党優勢のため、反対。オバマケアの骨抜き、本格施行の遅延を狙っている。

オバマケアは大きな政府につながると反対(英FTのようにこの指摘は当たっていないという論調もある)


財源

オバマケア増税
 高額所得者層に対するメディケア税の上乗せ
 医療機器関連企業(製造・輸入)に対する2.3%のexercise tax
 その他は!?

その他医療費そのものを削減する施策
 具体的に何があるか、もう少し調査が必要


個人的感想

そもそも高騰した医療費を下げる努力が必要なのでは・・・


アメリカでは、日本と同じかそれ以上に医師の社会的ステータスも給与も高い
ともかく高額
虫歯の治療も(金属の詰め物ではなく、ポーセリンを使っているということもありますが)
神経治療までなく、歯をかぶせた場合は約700-800ドル
神経治療を行い、ポーセリンで歯を被せると、1500ドルくらい
現在の私の保険では半分が保険会社、半分は自費となります。



参考資料は多々ありますが、その一部です
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGV02002_S3A001C1000000/
http://www.hannan-u.ac.jp/doctor/economics/izawa/fqpvga000000qf180.html





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