父と娘(『Nolanの言葉の贈り物』第1話)

『Who would be a father!』

遠い遠い昔、これはまだ僕が大学生の頃だっただろうか。

小田島雄志の『シェイクスピア名言集』だったと思う。シェイクスピアの劇中の名セリフを確か100個集めて、見開き2ページに各セリフとそれに纏わる話をエッセイ風にまとめたものだった。

非常に読みやすく、岩波の少年少女向け新書だったと思う。四畳半の凍えるようなアパートの炬燵で一杯やりながら、一気に読んだ。恥ずかしながら内容はこの始めのものを除いて殆ど覚えていない。

出展はハムレットと記憶していたが、ハムレットにそんなシーンはなかったはずだと訝しく思っていたところ、このアルコムでオセローだとの情報をいただいた。父親になどなるものではない-そんな訳が添えられていた。

シェ イクスピアの世界とは一転、それに纏わる話は実にたわいもないものだった。年頃の娘を抱えたある男の友人宅に娘がフィアンセを連れてきた。寡黙なその友人 は特に饒舌にしゃべるでもなく、仕方がないのでそのフィアンセとまだ日が暮れる前だったが酒を飲みだした。そして夜は淡々と更けていく。

最後にちょっとしたオチがあるのだが、ここでは触れないでおく。ただその父親の"小さな勝利”が微笑ましく、ことあるごとに想い出してきた。なぜなのだろう、あの頃の僕はそのフィアンセの歳に近かったはずなのに。

年頃の娘を持つ父、そして花嫁の父 - 古今東西、これをモチーフとした話は一体どれだけあるのだろう。人生における愛すべき、最も美しいものの一つかも知れない。そのすべてが光の当たる面ばかりを捉えたものではないとしても。






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